このブログを読んだ方の中には「遺言執行者(いごんしっこうしゃ)」という言葉を聞いたことがある方もいるかもしれません。
遺言執行者とは、遺言に書かれた内容をもとに相続に関する各種手続きを行う人のことです。遺言の内容を確実に実行するために非常に重要な存在であり、遺言者ご本人が元気なうちに誰を遺言執行者に指定するかを考えておくことが大切です。
遺言執行者の主な役割
遺言執行者は、遺言の内容に従ってさまざまな手続きを行います。主な業務としては次のようなものがあります。
遺言者の意思を確実に実現するために、法律上も強い権限が与えられています。
遺言執行者を指定するメリット
遺言執行者をあらかじめ指定しておくと、遺言の内容を実現する過程でのトラブルを大きく減らすことができます。
主なメリットは以下のとおりです。
手続きがスムーズに進む
遺言執行者がいれば、相続人全員の同意を得なくても、単独で必要な手続きを進めることができます。
銀行での相続手続きや不動産の登記も、執行者の権限で行うことが可能です。
相続人同士のトラブルを防ぐ
遺産分割をめぐる意見の食い違いは少なくありません。
中立的な立場の遺言執行者が関わることで、感情的な争いを避け、遺言者の意思に沿った対応ができます。
遺言内容の確実な実現
たとえば「特定の人に財産を遺す」「寄付を行う」といった遺言内容も、執行者がいれば確実に実行されます。
遺言執行者を指定しない場合のデメリット
遺言執行者がいないと、遺言の内容を実現するために相続人全員の同意が必要になるケースが多くなります。
相続人の一人でも協力を拒めば手続きが進まないこともあり、結果として遺言が「形だけのもの」になってしまうおそれがあります。
また、誰がどのように遺言を執行するかをめぐって新たな争いが生まれる可能性もあります。
こうしたトラブルを避けるためにも、遺言執行者を指定しておくことが望ましいといえます。
遺言執行者に向いている人
遺言執行者は、信頼できる人であれば基本的に誰でもなることができます。
ただし、実際には法律や手続きに関する知識が必要になるため、次のような人を指定するのが一般的です。
公正中立に行動できる人
相続人間の利害関係に巻き込まれない人
手続きを正確に進められる専門家(弁護士・司法書士・行政書士など)
特に相続財産が複雑な場合や、相続人間の関係があまり良くない場合は、専門家を指定しておくことで安心です。
専門家が執行者となることで、法的な手続きのミスを防ぎ、遺言の実現を確実にサポートします。
まとめ【遺言執行者を決めることで「安心な相続」を】
遺言執行者は、遺言者の思いを確実に形にするため重要な役割を果たします。
遺言書を作成する際には、「誰がその内容を実現してくれるのか」まで考えておくことが大切です。
ご家族間での争いを防ぎ、円滑な相続を実現するためにも、信頼できる人や専門家を遺言執行者として指定しておくことをおすすめします。
行政書士は、遺言書の作成サポートだけでなく、遺言執行者としての就任や、実際の手続きにも対応していますのでお気軽にお問い合わせください。
↓関連記事はこちら↓
