遺言の種類について解説

目次

遺言は大きく分けて【普通の方式】【特別の方式】がある

【普通の方式】の遺言は、
① 自筆証書遺言
② 公正証書遺言
③ 秘密証書遺言
計3種類があります。

【特別の方式】の遺言は、
① 危急時遺言
事故や病気などによって死の危険が迫った状況にある場合
② 伝染病隔離者の遺言
伝染病などによって隔離されているため【普通の方式】で遺言を残せない場合
③ 在船者の遺言
船舶に乗っている場合
④ 船舶遭難者の遺言
遭難した船舶中に死の危険が迫った状況にある場合
計4種類があります。


主に利用されるのは【普通の方式】の遺言のうち、自筆証書遺言や公正証書遺言になりますので、今回は【普通の方式】の遺言3種類について詳しくみていきます。

自筆証書遺言

自筆証書遺言とは、自分で遺言書の全文を自筆して作成するものです。ほとんど費用がかからず第三者に遺言の内容を知られることなく作成することができるといったメリットがあります。ただ、書式や内容に不備があると、せっかく作成した遺言が無効になってしまいますし、どこに保管していたかわからなくなった・・・ということも考えられるため注意しなければいけません。

2020年7月から【自筆証書遺言保管制度】が利用できるようになりました。この制度を使えば遺言書は法務局で保管されるため、多少費用はかかってしまいますが紛失や盗難などが防げますし、遺言書があるかどうか相続人が確認することもできます。まだまだ知られていない制度ですが、はじまってから現在(令和7年6月)までに約10万件、遺言書の保管申請がなされています。
『遺言書保管制度の利用状況-法務省』より引用

公正証書遺言

公正証書遺言とは、公証人が遺言する内容を聞き取り、その内容を公正証書の形式で作成するものです。法律の専門家である公証人が関わるため遺言が無効になる可能性が低いこと、遺言書の原本は公証役場で保管されるため紛失や盗難を防ぐことができること、証拠力が高く遺言の検認が不要であることなど、さまざまなメリットがあります。
ただ、公証役場での手続きが必要なため、時間や費用がかかるというデメリットもあります。

公正証書遺言の作成件数は
・令和3年…10万6028件
・令和4年…11万1977件
・令和5年…11万8981件
・令和6年…12万8378件
『日本公証人連合会 令和6年の遺言公正証書の作成件数について』より引用

秘密証書遺言

秘密証書遺言とは、遺言を作成した後に遺言書を封印し、公証人に遺言書の存在を確認してもらう方法です。名前の通り遺言の内容を秘密にできること、偽造や改ざんを防止できること、公正証書遺言に比べると時間や費用がかからないこと、などがメリットになります。
ただ、自筆証書遺言と同じく書式や内容に不備があると無効になってしまったり、保管場所がわからなくなったりすることがデメリットになります。こうしたことから、秘密証書遺言はあまり利用されていないのが現状です。

遺言書についてお悩みのことがありましたらご相談ください

今回は遺言の種類について解説しました。遺言書を作成したほうがよいケースやメリットについての記事もありますので、ぜひそちらもご覧ください。

行政書士くまがい事務所

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